わさっきhb

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サンドイッチ

これまで「かけ算の順序をめぐる論争」という書き方をしてきましたが,「かけ算の順序についての検討」に切り替え,今後も,当雑記の何分の1かを占めるペースで書いていくことにします.ときには「かけ算の立式についての検討」になることもあります.
まずは…

掛け算の順序というくだらないことに教師の側がこだわることによって、
「サンドイッチ」のようなくだらない教え方が開発されてしまったり、
ウサギの耳が3本になったり、タコの足が2本になってしまったりするわけです。
(略)

サンドイッチとタコは,取り上げたことはありませんが,(略)

http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20110130/1296318452

引用と出典表記にあたり,人物情報はなくしています.なのですが,このエントリを書くきっかけとなったページには,現在,アクセスできません.先日の地震で被災された可能性が高いです.お見舞いを申し上げるとともに,早い復帰を期待したいと思います.
それで…かけ算指導におけるサンドイッチについて,調べてみました.以下のページが分かりやすそうです.

児童が立式で間違えないようにするための,アドバイスとして,有用だと思います.歴史で,年号を語呂合わせで覚えるようなものです.
しかしこれが小学校のかけ算指導の主流になっても困るなあとも感じます.単位の扱いが雑に見えます.『立式した時に単位も書くと、「4個×3枚=12個」になります』に対して「12個枚ではないのですか?」というのは,《無頓着派》の課題*1として書いたことがあります.
さらにいくつか気になる点があります.アレイ図で数えると,「4こ×3=12こ」も「3こ×4=12こ」も認められることになります*2.サンドイッチで理解していると,割り算を学び,包含序に関する問題を解くとき,答えの単位の扱いに少々苦労しそうです*3
サンドイッチの考え方は,「何の何倍」に基づくかけ算のように思われます.したがって,「何のいくつ分」と相容れないところもあります.今年の朝日新聞の記事で,授業例が出ていました.

はてブをしたのは私だけです*4.『2×8でも8×2でも答えは同じ。でも、意味は全然違うよ』や『かけ算の意味って、すごく大切』については支持なのですが,内容がなじめなかったのは,ウサギもタコもテントウムシも,サンドイッチの考え方で正しい式・間違いの式をチェックしているから,と気づきました.
次回は,包含除と等分除,かけ算の複数の意味について書かれた本を取り上げます.
(翌日追記:3月13日が「サンドイッチの日」というのは,リリース後,昼間に車内でラジオを聞いていて,はじめて知りました.)

*1:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20110105/1294174728

*2:文章題をアレイ図で抽象化したとき,その結果を,元の問題に戻せるとは限らないことについては,すでにhttp://d.hatena.ne.jp/takehikom/20110309/1299619932で書いています.

*3:12こ÷3こ=4で,単位は? 問題文から見つけてきたらいい?

*4:翌日追記:あ,増えてる.