わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

3年前期の配属で実施すること

今年度も,3年生の学生を前期に受け入れることになりました.主な目的は,学生-教員のコミュニケーションを密にすることで学習意欲を高め,留年を減らすことと,早めの研究室活動による就職対策です.後者については「3年生の段階で,就職活動時にアピールできる成果を作っておく」という意味合いがあります.
私が受け入れて指導する学生については,以下の2点を行ってもらいます.

  1. 前期ゼミに参加して,ソフトウェア作成に貢献する.
  2. 私との面談を通じて,足りないところを理解する.

それぞれ,補足します.研究室の前期ゼミでは,学生を2つの班に分け,研究室全体で楽しめるようなゲームソフトを各班で作ってもらう予定です.できればWebアプリケーションとしてくれればいいのですが,みなが楽しめるのであれば,exeファイルなどでもいいでしょう.いきなりコーディングではなく,企画に40〜50%,実装に50〜60%の時間をとります.3年配属の人だけで行うのではなく,当研究室の卒研生・大学院生を加えて,2分割します.班の活動を通じて,先輩から後輩へ各種ノウハウを提供してほしいですし,必要なら学年にこだわらない建設的な議論を通じて,完成度を高めてほしいものです.
3年生に対する個人面談は,昨年度と同じく,受け入れ直後と6月ごろの2回,実施します.
昨年度の学生は,当研究室を第一希望としていませんでした*1.そこで,何も考えずに希望を出すと,後期の,そして1年半(進学するなら3年半)の学内の生活を左右する研究室配属でもまた,思うようにいかないことを,面談時に伝えました.
今回はどうなるか分かりませんが,当研究室を第一希望とせず,不本意な配属になった学生には,やはり昨年度と同じことを伝え,前期のうちに「人のつながり」「情報のつながり」を駆使して,自分が入ってより深く学びたい研究室がどこで,入るために(“選抜”に注意しながら)何をすればいいかを,考えてもらうことになるでしょう.もし当研究室を第一希望とする学生がやって来たときは,その意欲に感謝する一方で,前期の研究室活動を見せてもらって,意欲に欠けるところがあれば,後期の配属決定時には減点対象とさせてもらうことを,面談の中で話すことになるでしょう.
「足りないところ」と書きましたが,より正確には,「これから増やしたり伸ばしたりしたほうがよい,知識・技能・態度など」とすべきかもしれません.

過去1年間の研究室関連エントリ・引用つき

  • (セキュアな)システムを運用するには,悪意のある利用者を想定し,一方悪意のある利用者は,破ろうとするシステムのことをよく理解する
  • 採用する企業側は,応募する学生のことを考え,応募する学生は,採用しようとする企業のことを理解する
  • 問題を作る側は,解く人のことを考え,解く人は,なぜこんな問題を出してきたのか(出題意図)に注意する
情報検索とは,ちょうど1件の情報を見つけることではない

一つは「プログラミング」です.これは,あなた自身だったり先輩や教員だったり,システムを使ってもらったりする人の「うまいことでけへんやろか?」「一体どないなってんやろ?」という疑問を,「うまいこといった!」「ああそういうことやったんか!」といった感動に変えるための手段となります.
もう一つは「デザイン」です.すでにある知識・技術の中で,目の前の問題の解決に使えるものを見つけ,組み合わせて形にする行為を言います.この意味のデザインの能力は,研究を進める上で確実に役に立ちますし,社会人になって働いてからも,また就職活動でも有用となるでしょう.

学習・習得してほしいこと

とはいっても,好感度アップの要素を挙げることはできます.「修得単位数」「研究室の教員の担当する科目の成績」「プログラミング技能」「コミュニケーション能力」です.
これらはいずれも,研究室に入ってから活動をスムーズに行えるかを“事前に見積もる”のに有用な尺度・手段です.単位数が低いと,授業に出席する回数が多い分,研究室にいる時間が短くなると推測できます.授業以外でプログラム作りをしている人は,そのノウハウや苦労をベースにして,研究で使用するソフトウェアや開発環境,またライブラリやアルゴリズムの理解・習熟が,そうでない学生よりも早いだろうと期待できます.

3年生の研究室配属

さて,ドラクエDDRを比較してみましょう.ドラクエでは,たった一つのことをやっていないだけで,先に進めないということがよくあります.一方 DDRでは,踏むべき対象はたくさんありますが,基本的にどれも対等です.すなわち,一つや二つ,ミスをしても,他でカバーすればいいのです.
研究は,これまで授業で学んだこと,研究室に入ってから学ぶこと,そんないろいろな知識の積み重ねをもとに,実施していくことになります.そんな中,一つのことでつまずいて,先に進めない,というわけにはいきません.
研究室活動で必要となる,基本的なことについては,もちろん指導します.ゼミやミーティングで,各自の知識・知恵を持ち寄り,学び教え合いながら,あなた自身で目標を立て,最終的に達成するための後押しを,私はしたいと考えています.

今年も研究室紹介

教員:今回やっている研究室の活動について,自分なりに何か技術が身についたとか,今後はこの点についてもっと学ぼうとか,ありますか?
学生:いえ,特に.

教員:研究室のゼミとかディスカッションとか,これからどんなふうに変わっていくんかねえ….
学生:分かりません.

新手の思考停止

3年生がゼミに来て,研究室のみなが自己紹介をしたとき,はじめに覚える妙な単語は,「B3」「B4」なのかもしれません.

ここ最近の用語解説

*1:別の言い方をすると,当研究室を第一希望とする学生がいませんでした.