「はいはいごくろうさん」
「ほなここから,運転よろしく」
「あいよ,いつものところやな.…今日はおうち,どないや」
「すごかってんで」
「さっそくかいな」
「今日わは,ばあちゃんにうえの子を,近所の保育園へ連れてってもろてんけど」
「体験入園,やったっけ?」
「ていうか2歳児のために月1回,解放してんねん」
「ふむふむ.で,どないや」
「もうね,遊び尽くしたって!」
「なんやそら.遊具とかかいな」
「せやって」
「先日も,公園でロープのやつ,がんばりおったもんなあ」
「せやね.あれと比べたら,保育園の遊具なんか,お茶の子さいさいやで!」
「あとやな…」
「どしたん」
「他にも2歳の子ぉとか,3歳以上の子ぉとか,保母さんやったっけ,対人的なところは,うまくやれたんかいな」
「友達できたて言うてたで」
「そっか」
「うえの子の周りに,2歳の子が集まるんやて」
「何やそれ」
「だって,家でもよおしゃべるし,動くやん」
「まあ,元気ではあるね」
「華やかやもんね」
「…華があるってやつか.まあ親が言うもんではないが」
「あとねえ.同い年の男の子と,かけっこしてんて!」
「挑むんかいな.んで勝ったんか?」
「勝ち負けまでは,聞いてないけどね」
「ふむ,まあ,楽しい時間を過ごせたんやったら,ええかな」
「けどなあ,今日も昼間,また妹ら泣かしてんねんで」
「うーん,それがあるんよな」
「…うえの子のこれからの課題は,痛みがわかる子になることやね」
「痛み,なあ」
「前も,あなたが休日出勤してた日やけど,交通公園に連れてってな」
「ふむ」
「遊具の一つに,掃除機があるんよ.おもちゃのな」
「まあな」
「それをあの子と,まー2歳になった子が取り合いして」
「んで?」
「うえの子が取って,あたしのところに来て『勝った』て言うんやけど」
「何や,狩りをしてんかいな」
「そこは言い含めたんよ.勝つとか言うのは,おんなじか,自分より上の子どもに対して,言うんやで.自分より小さい子とやったら,取り合いせんと,譲ってあげて,『あとで貸してね』って言えるようにならななって」
「せやなあ.…とか言うてると,レストランに着いたぞ」
「運転おつかれさん」
「さて…年に一度の結婚記念日,おいしいもんを食べさせてもらおか!」
野暮な解説
今朝,某所に書いた分の転載です.オチは変えています.