わさっきhb

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夕ご飯はカブトムシ

先日,Bくんのお母さんがこんな話をしてくれた。「『Bくん,夕ご飯はなにがいい?』ときいたら『カブトムシは……』と好きなカブトムシの話をしはじめて。私の話をちゃんと聴いてるの? って怒ってしまいました」。
(『ミス・コミュニケーション―なぜ生ずるか どう防ぐか』p.135)

「え,何これ?」です.読み進めていきます.

Bくんは軽度発達障がいをもつ小学生。毎度毎度,質問とまったく違う答えが返ってくるのでは,お母さんが怒る気持ちもわかる。しかし,仮に,このBくんにはお母さんの発言のうちの「何がいい?」という部分しか聞こえていなかったとしたらどうか。Bくんが,お母さんの質問を「好きなものはなに?」と解釈していたら,自分の好きなカブトムシの話を一所懸命始めた,というのは納得できるのではないか。お母さんは,Bくんが話を全部聴いて理解しているはずと思っているし,Bくんはお母さんの質問にちゃんと答えていると思っている。どちらも,それぞれの主観からすれば正しいのである。わたしの予想が正しければの話だが,Bくんはちゃんと答えたのになぜお母さんに怒られたのか,理解に苦しんだであろう。
(同)

なるほどです.
「解明する」とは,こういうことなのかと,強く感じた一節でした.