わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ネズミを退治

「パパ,ちょっとやってほしいことがあるねんけど」
  「ん? 夕食の後でええか?」
「うん,それでええよ.双子ンを風呂に入れる前に,やってほしいんよ」
  「ふむ,何やろ」
「ネズミを退治してほしいねん」
  「ネズミかいな…どこにおるんや?」
「それがね…お米の袋!」
  「はぁ!?」
前年に収穫し,30kgの袋に入れたお米は,「小倉(こぐら)」と呼ばれる部屋にあります.いわゆる玄米の状態で,袋を横にして重ね,保存しています.
食べる直前に精米機へ持っていき,白米にします.白米入りの袋は,小倉の中で,袋の口を開けて,立てておきます.1合の枡(ます)も入れておくことで,「いま消費しているのはこれ」と分かるようになっています.
それで,「いまの白米」の中に,ちっこいネズミが入り込んだとのこと.
ま,言われればしょうがない.退治しましょかね.
  「えっと…道具がいるなあ」
「小倉の入口に,いろいろあるやろ.うまいこと使こてや」
  「せやなあ.米の袋に入ってるっちゅうんやったら…トングでつまめるかなあ?」
「トングぅ!?」
名称確認…wikipedia:トングに書かれている「火ばさみ」のことです.http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1035549.htmlだと「ごみバサミ」「金バサミ」とも言うそうで.
火ばさみを右手に,捕まえたネズミを入れるためのバケツを左手に持ち,米袋をのぞいてみました.小倉は,電球をつけてもまだ暗いのですが,ネズミはどうやら枡の中で,こちらの様子をうかがっているようです.
枡ごと火ばさみでつかんで,持ち上げると…ネズミが跳ねました! こちらの心も,跳ね上がりました!
そしてネズミは他の袋へ.米袋なのですが,中には乾燥させたジュウヤク(どくだみ)が入っている袋です.
  「おーい,ママ〜」
「(家の中から)捕まえた〜?」
  「いや,取り損ねて,ジュウヤクの袋に入りこんでやなあ」
「なんとか捕獲できる〜?」
  「それなんやが…他の,空いてる米の袋,使こてええんかいな?」
「あるんやったら使ってくれてええけど,どうすんのん?」
  「そっちに,ジュウヤクの葉っぱを入れ替えてやなあ」
「ふん…」
  「んで,今(ジュウヤクが)入ってるほうは,ネズミだけにすんねん」
「あそっか,それでそれを,川にもってくってわけね!」
小倉の中でする必要はありませんので,外に出て,作業しやすいところで,詰め替えました.はじめは無反応だった袋ですが,終盤には,袋の下のほうが動いているのが分かります.あのネズミさんです.
だいたい取ったかなといったところで,近所の川---幅1m少しの溝---まで運びました.歩きながら,20年以上昔のことを,思い出しました.
ゴキブリホイホイに,ネズミが捕まったのでした.激しく動くので,ビニル袋に入れるまで,ひと苦労しました.
あのときも近所の川に捨てようかと思ったところ,父がやってきまして,溺死よりは,打ち付けて全身打撲で即死させるほうがいい,と言い出します.そんなんでけへん,と,厳しい父に口答えはできないので,今で言う「引く」反応をしたところ,父がゴキブリホイホイ入りのビニル袋を持って,道路に打ち付け,動かないようにしました.それであのあとどうしたんだったかなあ…
溝のところで,袋をぶちまけると…小ネズミの姿は,ありませんでした.
小倉に戻って,後片付けをしますか.
「川に流した?」
  「うーん,それがやなあ」
「失敗したん?」
  「流れたのは,残りの葉っぱばっかりで,ネズミっぽいのがなかったんよなあ」
「あれれ」
  「ま,小倉にはおらんよ」
人に迷惑をかけず,生き延びてくれればいいのですが.