ある晩:
「…なんまんだぶつ,なんまんだぶつ」
「なんまんだぶつ.…さて(立ち上がる),とっとと寝よか」
「…ままぁ」
「なに?」
「ぜりー,たべたい」
「ん? お供えしちゃある,桃のゼリーか,おいしそうやな」
「あのね,もう寝るの!」
「ぜりー,たべたい」
「歯ぁ磨いたでしょ! 夜にこんな甘いの,ダメ!!」
「たぁべぇたいぃ!!」
「はい,もお電気消すよ」
「おっと,この状況で,消すんかいな」
翌朝:
「あいよ,さきの子とあとの子に,スティックパン1本ずつと,んでミルクやったな.しっかり食べて,飲むんやで.…そいで,うえの子は,朝何を食べるんかな?」
「(イスから降りて部屋を出る)」
「ん? ママんとこへ行くでもなし…すぐ戻ってきたか」
「ぱぱ,ぜりー,たべる」
「え? 仏さんとこの,桃のゼリーかいな.ママがええって言うかなあ?」
「たべる!」
「んまあ,ママに聞いてみるか…ママぁ,ええんかぁ?」
「食べてええよ!」
「ええんやて.よかったな」
「…」
「(おっと,スプーンがないやないか)ところでやな,うえの子よ,ゼリーを食べるには,何が必要かな?」
「あ!」
「気ぃついたか」
「まんまんちゃんあーんするの,わすれてた」