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怪盗ねこぴーの,かけ算学習

コンテンツが充実しています.算数「にねんせい」の「1 かけざん」をクリックしてみました.

データ読み込みに時間がかかります.Flashコンテンツです.ほどなくロードが終わり,「かんがえよう」で2つ,「れんしゅうもんだい」で3つ,選べるようになります.

一番上の「かけざん(5×3)」を選んで,終わりまでやってみました.
まずはドーナツ4コと4コを計算です.たし算です.そうそう,ボリュームコントロールも必要となります.
たし算を簡単に計算するためとして,かけ算が登場します.

そして全体としては比較的早い段階で,「かけ算の順序」を問う問題が表示され,解答を迫られました.

「子どもの かずは 5人。// ひとりに 6コずつ キャンディを くばるよ。// キャンディは なんこ いるかな?」という問題文です.乗算記号の左と右に,キーボードで数を打ち込んでから,Enterキーを押すか,画面左上の「できたらクリック」をクリックします.
はいはい,やっときましょう.左に「5」,右に「6」を書いて…

Enterキーを押すと,中途半端な効果音のあと,解答欄が空っぽになりました.「5×6」という式は間違いというわけですが,間違いだよという直接的な表示はなされず,再入力が要請されました.
左に「6」,右に「5」を書いて…

Enterキーで,正解の効果音が鳴りメッセージが表示され,解説が進みました.なお,左下の「こたえ」をクリックすると,答えを打ち込まなくても(正解のリアクションもなく),解説に移ります.


先月末にチャレンジタッチのかけ算学習でも,2つの数を出現順からひっくり返して,かけ算の式にする(出現順に数を書いたら間違い)という文章題を取り上げてきました.PCなどで利用可能なデジタル教材においても,「かけ算の順序」---用語はともかくとして---が浸透している,と判断して良さそうです.
2つのデジタル教材で共通して「ないもの」を探ってみます.かけ算の順序への反発と見ることのできる,「これも正解じゃないか」への対応が,見当たりません.順序論争を取り除くと,1つの問題(場面)において複数の式が正解(その場面を表す式)であり,解答する側がそのうちの1つを書いたら,正解と判定するような出題形式があるか,と一般化することができます.
判定や表示の仕方など,技術的には可能なはずですが…
教育的配慮の面で,課題があるのかなと,推測します.具体的に書くと,「1つ書いたら,正解」というとき,それで次に進んでいいのか,他の解答例も紹介すべきか,が懸念の一つとなります.ユーザがAと答えたのに,アプリが「他にAも正解ですね」と表示してしまう事態は,アプリを慎重に組めば回避できるはずですが,簡単な式や場面に限られます.例えばhttp://tosanken.main.jp/data/H27/gakuryokujitaichousa/h26kekkatokousatu2nen.pdf#page=4の大問5にあるような,おはじきのL字型の並びについて,容易に実装できるとは思えません.
テキストベースの出題例や手書きの答案を見つけてきて,ああだこうだと言っている,自分を含めこだわる人々を差し置き,デジタル教材はこれまでの教育の知見と,実際の利用そして改善を通じて,充実とともに進展がなされていくんだろうなと,思った一件でした.