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アレイで(4×5)×3=4×(5×3)

算数授業研究 VOL.102

算数授業研究 VOL.102

今日と明日とは,この雑誌より,つまみ食いをします.本日分について,いつものスタイルで書誌情報を書いておくと:

  • 山本良和: 式と計算, 算数授業研究, Vol.102, 東洋館出版社, pp.52-53 (2016).

初等教育学〈算数科〉基礎・基本講座」の第7回で,4年を対象とし,「総合式で表すよさ」「計算の順序のきまり」「計算法則」で構成されています.計算の順序について,乗除先行をどのように指導するかは,先月自分が書いた内容*1よりも,教師向け・児童向けに分かりやすく書かれていて,読んでなるほどと思いました.
さて,見開きの右のページに,5つのアレイ図が出現します.最初の3枚が,結合法則を確かめるための図となっています.最初の図は,こうです(図番号はありません).

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これに,上下の真ん中に横線,左右の真ん中に縦線を引くと,図①です.4行5列のアレイが3つ,と見ることができます.3つのうち,左上の「4行5列のアレイ」を移動させると,以下のようになります(図②).

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上記の2つの図について,丸(白丸・黒丸を合わせたもの)の総数を求めてみます.上のほうは,「4行5列のアレイが3つ」ですので,(4×5)×3=60で計算でき,総数は60こです.それに対し,下は,「4行(5×3)列のアレイ」となっていて,式は4×(5×3)=60,答えは同じです.
白黒2色の丸を使って,アレイ図で結合法則を可視化(おはじきに替えれば操作)もできるのは,面白い……
と思ってから,これまでの関心事の答えになっていないことに気づきました.関心事とは,「アレイ図(積のかけ算)のみで,結合法則を示せるか?」です.
上の計算式のいずれにおいても,「×3」は,かけられる数を「3倍」にするという操作に対応しており,アレイとは別口の「倍のかけ算」なのでした.