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組体操,ではなく棒体操

6時間でできる!棒体操の指導法 (教育技術MOOK)

6時間でできる!棒体操の指導法 (教育技術MOOK)

組体操と,間違ったわけではなく,Amazonで見かけて購入しました.
使用するのは竹の棒です.中学校男子では長さ4メートル,太さ6〜8センチメートルが標準的とされています.
この1本を6人が持って,棒を持ち上げたり,胸や腰の高さにしたり,地面に置いたりして,全員同じポーズで,さまざまな技を演じます.
腕立て伏せや,さかあがりといった技もあり,その場合には6人のうち両端の2人と中央の2人が支え役,端から2番目となる2人が,腕立て伏せをしたり,鉄棒(さかあがり・前回り)のように演じたりする役となります.
6人1組ですので,ピラミッドも3段です.最上段の人は,竹の棒を横に持って立ちます.
複数の棒を使い,6人よりも多い数で演じる技も,あります.2本の棒を平行にして肩で担ぎ,2人がその上に立つという「二段立ち」,その後に1人が棒を持って逆立ちし,もう1人が支える「二段立ち倒立」,そして4本の棒と24人による「三段立ち」などが,紹介されています.
二段立ちを解説しているp.52に,コラムがあり,棒体操は「徒手体操」「器械体操」「組体操」を統合させたものだとしています.戻ってp.21では,不登校の者や,特別支援教育が必要な子どもも,一緒に演技できることを,棒体操の良さに挙げています.
気になったところを2つ,挙げておきます.「ケガの回避」がp.25に書かれており,そこでは,「全員がいっせいに手を離すと棒が足の甲に落下して痛い思いをすることがあります」と指摘されています.これは確かに要注意なのですが,そのほか,棒を地面に置いて握る際,状況によっては,棒と地面との間に,指や手の甲を挟んでしまい,ケガをしやすいのではないかと感じました.また発展技のうち2本の棒を斜めにして人を持ち上げるという「エックス」(p.58)は,磔(はりつけ)を連想し,好印象を持つことができません.
何にせよ,この棒体操の成否を握るのは「棒」です.竹を入手できたこと,またメンテナンスの注意点についても,本書に載っていますので,気になる方は購入してみてください.組体操と比べたときの棒体操のメリットとして,棒を後輩に受け継ぐという形で,校内で伝承できることも,挙げていいのではないかと感じました.