わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

10個の焼き餅を8人で食べよう

  「ただいま…」
 「あっ,パパ! おかえり!!」
  「さきの子か.晩ごはん,手伝ってんのか?」
 「そうやで! ギョーザ,作ってんねん」
  「そっか.ところで,車庫に車がなかったんやが…」
 「うん! 出かけてる!」
  「他の子ぉらは…?」
 「お姉ちゃんはあっち! あとの子と,すえの子は,ママについて行った!」
  「へいへい,なるほど」
 うえの子の誕生日よりも前の,休日の夕方でした.2階で上着をハンガーに掛け,スマートフォンを充電させていると,階下が賑やかになりました.
 車で出かけていた3人が,帰ってきました.階段を降りる途中で,「うわ! おいしそう!!」と言う,さきの子の声も聞こえました.
 テーブルを見ると…「やきもち」です.

 10個入りで,5個は白(と,はみ出たアズキの色),5個は緑でヨモギ入りです.
 ところでこの焼き餅,柔らかくて平べったいという特徴も持っています.手でつかんで割ろうとすると,餅が伸びます.等分するには,包丁が欠かせません.ですが10÷8は1と4分の1,とするよりは,2人が2個ずつ食べ,自分を含め他の家族6人は1個ずつ,式にすると2×2+1×6=10で,まあいいでしょう.
 誰が2個食べるかですが…
  「さきの子よ,お前しっかり留守番して,晩ごはんのお手伝いもしてんから,2個食べたいよなあ」
 「うん! 食べていいの?」
  「いやあ,晩ごはんを食べたあとのほうが良さそうやな」
 ギョーザもすべて焼けて,晩ごはんタイムとなりました.家族8人がテーブルを囲みました.
 食事がある程度,進んだところで,すえの子が提案しました.
 「やきもちな,おじいちゃんとおばあちゃんに2こずつ!」
 おいおいそんなことしたら2個ほしいって言っていたさきの子が文句をつけるぞと思いながら,左隣のさきの子を見ると,リアクションが激しすぎて,びっくりしました.
 地団駄を踏み,大声を出して,2個食べたいことを,数十秒間,アピールしました.
 おばあちゃんからの提案で,おばあちゃんは1個,さきの子が2個となって,場は収まりました.