修士論文,卒業論文,また学会発表の予稿の最終段階では,表記の統一を図りましょう.
Wordで編集しているのであれば,Ctrl+Fの「検索」と,Ctrl+Hの「置換」を活用したいところです.
以下は置換のウィンドウで,「。」を「.」を置換するというものです.
研究室内で指導をしてきて,置換した方がよいなと思った記号は,次のものです.
- 。(まる) → .(全角ピリオドによる句点)
- .(半角ピリオド) → .(同上)
- 、(てん) → ,(全角カンマによる読点)
- ,(半角カンマ) → ,(同上)
ただし,参考文献の書誌情報に出現する「.」や「, 」まで,全角の「.」「,」にするのは,よくありません.注意したいところです.
置換すべき日本語表現をいくつか挙げます.
- 貰 → もら
「貰う」「貰った」は,「もらう」「もらった」に変換しましょう.ただし,「もらう」は,学術文献で使用するのに良い用語ではありませんので,「させた」に置き換えたり,してもらう人を主語にして「~が(は)~する」と書き換えたりすることを,検討したいところです.
- 及び → および
- 又は → または
- 共に → ともに
- 事 → こと
- 時 → とき
上記は,漢字で書いて字数を減らすものではありません.「事」「時」は,すべて置換をして熟語の出現も替えて(例えば「事実」が「こと実」になって)しまわないよう,注意しましょう.
- 1つ → 一つ
- ひとつ → 一つ
「ひとつ」と読む語について,本文では,漢数字が最もよいと思います.発表スライドでは,長音と誤解されるとまずいので,「1つ」のほうがよいこともあります.
算用数字が自然ということもあります.例えば「正解の選択肢1つと誤答の選択肢4つで合計5つの選択肢を用意する」と書いたら,「1つ」を「一つ」とする方が,よくないと言えます.
- よい → 良い
または
- 良い → よい
「よい」と「良い」のどちらがよいか,個人的には判断が難しいです.基本的には文書で統一するのがよいように思っています.
あえて,使い分けるなら,「良い問題」「良い手段」のように,名詞を修飾する場合(英語では形容詞の限定用法)は漢字にし,「~するとよい」「~がよいとは限らない」のように,必ずしもgoodで表さないような「よい」は,ひらがなにするのが,よいのではないかと思います.