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遠隔授業で「いっぺん,やってみたかった」ことをやる

 「いっぺん,やってみたかったんやあ」は,実家の母の口癖です.
 かつては食べ物(「これ,いっぺん,食べてみたかったんやあ」)でしたが,兄と自分がそれぞれ結婚し,子どもを授かってからは,孫との行動(「いっぺん,浜寺公園のゴーカートを(孫が)運転するとこ,見たかったんやあ」など)に変わっていきました.
 それはさておき,自分の仕事の一つ,授業担当です.配付された,今年度の学部の時間割表を見ると,第2クォーターで週2コマの講義のみ,教室番号が書かれ,他の担当科目の教室欄は「遠隔」となっています.昨年度と同じように,動画を視聴し課題に取り組んでもらうという形態にします.
 木曜の,前期の1年生向け情報処理科目もまた「遠隔」なのですが,昨年度までと異なるクラス編成になりました.
 昨年度までは,5クラス開講でした.学部1年生を均等に5クラスに割り振り,自分はそのうちの2クラスを担当しました.教材は5クラスで共通なのですが,自分ともう一人の教員とで,作成の負担が半々になるようにしました.
 その「もう一人の教員」が他大学へ転出され,代わりに学部の教員が,科目を担当することになりました.昨年度の前後期の授業形態(でそれなりにうまくいったこと)をもとに,今年度は,「木曜3限」と「木曜4限」という,2クラスでの運用になりました.単純計算で1クラスあたり150名以上という,BYOD PCを使用した演習科目です.
 そして,今年度からの教員と,これまで前期に1クラスを担当していた教員には,それぞれの主担当教員として,各クラスの授業中の質問対応や採点を担当してもらい,自分は,教材や課題を提供する形で,2クラス両方の(主でない)担当教員として,関わることになりました.
 なので前日,いや当日まで,授業準備に時間を取られましたが,授業時間になったら,「Moodle/Teamsにアクセスできません」といった相談さえなければ,暇なわけです.
 時間割表に戻りまして,教室欄の記載は「遠隔」なのですが,※のマークと番号が付いています.表外にその番号の解説があり,学内のどこの教室で授業を受けてよいという情報でした(木曜3限と木曜4限で,教室は異なります).無線LANが利用可能です.
 ここまでの状況で,「いっぺん,やってみたかった」というのは……授業中に,使用可能という教室を訪問することです.
 該当する教室番号を書き留めてポケットに入れ,その教室のある建物まで,足を運びました.
 3限の使える部屋は5つですが,いずれも40名程度の教室です.最初の番号の部屋には誰もおらず,5つ書いていたうちの,4番目と,5番目に,一人ずついました.無線アクセスによる動画視聴は良好とのことで,では頑張ってくださいと言い,1分足らずで退室しました.学生にとっても,こんな教員による訪問を,想定していなかったはずです.
 4限の使える部屋は,大講義室が2つです.見に行くと,最初の教室には10名前後,次の教室には数名がいました.ヘッドホンを装着する学生もいましたが,こちらよりマイクなしで,何をしに来たかを話し始めると,ヘッドホンを外して聞いてくれました.
 どの教室にも「次回以降は来ませんので」を付け加えました.遠隔で,彼らの学びをサポートしようと,思う気持ちが高まりました.