わさっきhb

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ホットケーキ食べていいの?

 あとの子とパパが,食の運命共同体となったのは,2人で食べ放題以来です.というのも…
 土曜日,朝の8時前のことです.雨は上がっていましたが,電車が運休しており休日出勤はできません.ママから命ぜられていた床の上の衣類の整理と,掃除機がけを済ませ,イスに座ってぼおっとしていると,ドアの向こうで,片手に1枚ずつ,両手に2枚の皿を持つ,あとの子の姿が見えました.
 別室のさきの子に1枚を渡してから,あとの子がこちらの部屋に入ってきました.
 「何それ」「ホットケーキ」
 そしてあとの子も空いている席に座り,満面の笑みで食べ始めました.
 しかしイラストやアニメでよく見かけるホットケーキとは,少し形状が違います.円筒形ではなく,小石のような,何でもありの形状でした.
 「パパのはないの?」「ないけど…あげる」
 皿を差し出されて,一番小さな1個分を口に入れると…
 温かくて甘い,ホットケーキだったのですが,前歯付近では液体の感触もありました.真ん中は,十分に焼けていなかったのでした.そのまま飲み込みました.
 パパはPC机の上のコップを自分に近づけ,床の上の2Lのペットボトルのキャップを取ってお茶を注いでいきました.30mLほどを入れて一気飲みし,150mLほどを入れて,あとの子に差し出しました.
 「喉渇くやろ,飲みや」「ありがと」
 自分はPC,あとの子はTVをそれぞれ見ながら,無言で時間を過ごしていると…
 階下が騒がしくなりました.ママが帰ってきました.庭に出て,きれいにしていたのでした.さきの子が降りて,ママおかえりと言っていました.
 あとの子がもう一度,こちらに皿を差し出してきました.
 「もう食べへんのか」「パパ全部食べて」
 残り3個になっていたうちの,一番大きな1個分を,1回噛んでもぐもぐしていると,さらに下の声が聞こえてきました.
 ケースで購入している栄養ドリンクの1本が,カラになっており,さきの子に雷を落としていました.
 俺ら,怒られることないかなあと言いながら,もぐもぐしていると…
 ママの怒りの対象は,ホットケーキに移りました.庭に出る前に,ホットケーキを食べやすいように,大小さまざまなサイズにしてプレートで焼いたのは,ママだったのでした.ママも食べたかったのに,あんたらが食べたんで,もうほとんどないやないのと,さきの子に叱りつけていました.
 喉の中から冷や汗が出ました.一番大きかった1個分をすべて飲み込んで,残り2個とフォークの乗った皿を,あとの子に渡し,降りてママに,ごめんなさいと言っときやと伝えました.