わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

いい質問を作り出す5つ+4つのアイデア

それでは,「いい質問」とはどんな質問なのでしょうか?
それは,思考(場合によっては,行動まで)を刺激するものです.もちろん,反応を求めていますし,さらなる質問をつくりだします.ロバート・フィッシャーは,それを次のように分類しています(Teaching Children to Think, Robert Fisher, Stanley Thornes, 1990).

  • 焦点を絞り込む質問
  • 比較することを求める質問
  • はっきりさせるための質問
  • さらに調べることを促す質問
  • 理由や背景を求める質問

(効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで (PHP新書), p.174)

孫引きですが上の5点,興味深いです.「焦点を絞り込む」と「はっきりさせる」は同じに見えますが,前者は(議論または活動の)対象を明確にすること,後者は主張の一つ一つまたは実施内容を明確にすることなのかなと想像します.(原文を読まないと分かりませんが.)
私も質問のパターン化は考えたことがあって,当日記の開設月に,画像を載せていました.画像部分をテキスト化しておきます.

  1. 目的が明確か?
  2. 目的のもとで,取っている手段が合理的か? もっとよい方法があるのでは?
  3. 目的が達成されたら,どうなる(どんな嬉しいことになる)か?
  4. 実行したこと(の全体または一部)は,他の用途に応用できるか?
研究の批評の仕方 - わさっき

一対一の対応というわけではありませんが,「焦点を絞り込む質問」は,目的の明確さを問うのと近いわけですし,「理由や背景」は,達成されたらどうなるかと結びつけて,動機を問うことにつながるものです.
冒頭の本には続きがあります.

なお,ある研修会で「いい質問」「いい問いかけ」の要素を出してもらったところ,「相手を非難しない」「他の人も聞きたくなる」「聞かれる側に発見がある」「掘り下げる」「考えさせる」「再考を促す」「わかりやすい」「質問される側に配慮する」「第三者にもわかる」「いろいろ考えたくなる」「答えることがうれしくなる」「発想の転換を可能にする」などがあげられました.研究者があげているリストに負けず劣らぬ項目ばかりです.
(前掲書, pp.174-175)

ここで挙げられた項目,雑多で,申し訳ないけど散漫な印象があります.発表や,研修会であれば講義とか実習とかの内容に直接向けられた質問でないからです.逆に,最初の引用と,拙論は,本質*1をつく質問を目指したものと言えます.

*1:ここは「本質」を書かずにいられない.関連:本質と言われても - わさっき