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大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

修士論文・卒業研究の発表会の質問ポリシー

最初にお断りしたいのは,本エントリは学生向けではなく,修士論文発表会・卒業研究発表会に立ち会い,多数の学生発表を見聞きして,質問をする必要のある教員向けのものです.とはいえ,教員にこういう心がけで発問しましょう,なんてのは僭越であって,結局のところは備忘録です.

  1. 質問は簡潔に.背景説明は最小限に.
  2. 学生がやったことを引き出す.
  3. 「これではダメだ」は言わない.
  4. 持論を述べて「どう思いますか」という後付けはしない.
  5. 「分かりました」で他の人に質問時間を譲る.

追加1:過去の記録より.

  • 焦点を絞り込む質問
  • 比較することを求める質問
  • はっきりさせるための質問
  • さらに調べることを促す質問
  • 理由や背景を求める質問
  1. 目的が明確か?
  2. 目的のもとで,取っている手段が合理的か? もっとよい方法があるのでは?
  3. 目的が達成されたら,どうなる(どんな嬉しいことになる)か?
  4. 実行したこと(の全体または一部)は,他の用途に応用できるか?
いい質問を作り出す5つ+4つのアイデア
  • 自分がどのタイミングで質問できるかを確認し,そこに合わせて質問の候補を作る.
  • 「ここが埋まれば,発表内容の全体が分かるんだけど」という部分を,質問にする.
ゼミ発表での質問の仕方

回答に納得したら「わかりました」,納得いかなくても他の人に質問してもらうなら「えっと…ちょっと考えてみます」などを言い,発表者・司会者にシグナルを送るようにしましょう.

後輩から先輩への,ゼミの質問文例

追加2:論文題目のつけ方は,「何をしたか」と「何に関する研究か」に二分されます.前者は「〜の開発」「〜の構築」などで終わります.後者は「〜手法」「〜に関する研究」などで終わります.指導教員の好みや経験によるところが大きく*1,質疑で突っ込んではいけないところの一つだと思っています.もちろん,題目と合っていない発表内容になっていたら,質問して確認したいところですが.

*1:うちの研究室の卒論題目は,どちらかの流儀を採用ということはせず,語感で選んでいます.修士論文の題目は,日本語は「の構築」を入れ,英語はこれに対応する言葉を入れていないのです.