今更ながら,「年」と「年度」の違い
「年」は,1月1日から12月31日までの1年間です.
「年度」は,4月1日から翌年3月31日の1年間です.
例えば今日は,「2009年2月13日」ですが,「2008年度」です.なお「2008年度2月13日」という表記はとりません.
ということを踏まえて,表紙は,「2008年度 修士論文/卒業論文」になっていますか? 提出年月日は,「2009年2月○○日」になっていますか?
変えてチェック,もう一度チェック
私は,内容チェックは,1回だけ紙原稿を読んで赤入れしますが,それ以外は,原稿と同じフォルダに「todo.txt」*1という名前のテキストファイルを置いて,要修正箇所をそこに書くようにしています.
これは,修正すべき箇所,修正した箇所を,互いに確認しやすくする*2ためです.
要修正箇所は,「・」の文字から始まる,箇条書きにしています.
修正したら,「・」の文字を「□」に変更してください.そして,原稿修正とあわせて,コミットしてください.
次回,こちらがチェックするという直前に,todo.txtと原稿ファイルとを見比べ,適切に修正しているのを確認したら,「■」に変更してください.
こちらは,論文提出期限まで,または次回チェックまでに修正できるよう配慮していますが,もし,自分ひとりで,提出期限までにできそうにない項目があれば,とりあえずその直後に,理由を書いておいてください.こちらで後で見て,対策するか,そのままにするかをアドバイスすることにします.
「□」や「■」を書くのは,todo.txtであって,原稿ファイルではありませんよ!
基本中の基本のチェック項目
- 日本語フォントは明朝とゴシックとし,明朝の太字は使わない.表の中身の日本語は明朝にする*3.
- 英数字は英語フォントとし,等幅フォントは使用しない*4.
- 表番号と表見出しは表の上,図番号と図見出しは図の下に置く.
- 図表はセンタリングする.
- 章が変わるところで改ページする.
- 句読点を全角の「.,」に統一する.
- 本文の段落中で改行しない.
- 「(仮)」を書かない*5.
- 敬体(です体)は使わない.
- ページの振り方は以下の通り.
- 表紙にはつけない.
- 表紙の次から,本文が始まる直前までは,ローマ数字小文字(i, ii, iii, iv, v, ...)を振る.
- 本文からは,アラビア数字(1, 2, 3, ...)を振る.
- ページ番号は,ページ下段中央に書く.
表紙の改行位置
論文題目が長く,表紙で2行以上になる場合,改行位置は手で入れるようにします.
前置詞句の直後で改行するのが原則です.「Xに(改行)おけるY」ではなく,「Xにおける(改行)Y」とします.「を用いた」も同じです.
「私」は使わない
論文で使って差し支えない表現,良くない表現というのがあります.
「私」は使ってはいけません*6.
代わりに,「本研究では」と書くようにしましょう.
どうしても一人称を使いたければ,「筆者」とします.
また,「本研究」が多すぎるのも良くないので,「筆者の属する研究グループでは」や「我々は」といった表記も,状況によっては取り入れてください.
*1:研究室の読者へ:本当は違うファイル名なのは知っていると思いますが,日記向けの表現ということで,ご理解ください.
*2:研究室外の読者様へ:ややこしい事情があるので脚注に書きますが,研究室のファイルはSubversionで管理しています.この種のバージョン管理ツールのメリットとして,よく,「過去のファイルの内容に戻せる」というのが挙げられますが,研究室で使っていて,もっとも有用なのは,「フォルダやファイルの単位で,誰がいつコミットしたかが簡単に分かる」ことです.
*3:Excelで表を書いてWordに貼り付けると,ゴシックになりがちですね.
*4:これまでの経験で,この指摘をしたくなる原稿では必ず,英字のフォントが「MS 明朝」などの日本語フォントになっていました.
*5:修論・卒論の原稿は,提出するまでずっと「(仮)」です.
*6:笑う人はごく一部かもしれませんが,「俺」「僕」「うち」「あたし」「おいら」「me」「自分」「ぱぱ」というのも当然不可です.wikipedia:日本語の一人称代名詞がすごいですね…「筆者」以外のいずれもアウトでしょう.