卒業研究のゼミ発表で,PowerPointを使って文献紹介をすることになった人へ,アドバイスを.
- 書誌情報をきちんと書きましょう.そのまま卒業論文の参考文献に入れる体裁にします.ただし,去年または今年の文献については,刊行年ではなく刊行年月にしておくと,見る側に喜ばれます.
- 文献の位置づけを把握しましょう.論文誌? 研究会? シンポジウム? 全国大会? 査読の有無は?
- 著者の所属を押さえておきましょう.
- 「文献の記述順に紹介する」か「記述順にとらわれない」かを決めましょう.後者は,自分がこの著者として発表するなら,どうすれば最も効果的なプレゼンができるかを考えて組み立てる,ということを意味します.
- 文献紹介と,自分の卒業研究との関係*3を,説明できるようにしておきましょう.
- 研究の目的は,本文から抽出しましょう.タイトルそのものにするのは,文献を読み込めていないように受け取られます.
- 「何を対象として」「何を使って」「何をしたか」を読み取り,できれば明快な1文で表現*4しましょう.
- その研究成果が,どういう人々が何をするのに役立つか,本文から抜き出しましょう.見つからなければ,自分なりに考えましょう.
- 手法の中で,絶対これは聞き手に知ってもらいたい,というものを見つけ,自分なりに表現しましょう.
- 数式に着目しましょう.
- 1つまたは複数の数式の制約により,変数の取り得る範囲はどうなりますか?
- 等号付きの不等式について,どのようなケースで等号が成立しますか?
- 等号無しの不等式について,なぜ等号が成立しないのですか?
- 本文に書かれている例を,紹介すべきか,検討しましょう.検討項目は主に,適切(説得力がある)か,妥当(論証の手順に問題がない)かの2点です.あまりにもおかしい場合は,自分で例を作るべきかもしれません.
- 文献のあら探しをしましょう.誤字脱字,式のミスに始まり,論理的におかしなところ(論理のギャップがあるところ),重要なのに述べられていない事項などです.
- その研究成果をもとに著者ら,あるいは自分が研究を続けていくと,どのような困難な点がありそうか,それをどのようにして解決できそうか,またどうしても回避できなさそうな限界*5はどこか,本文から抜き出しましょう.見つからなければ,自分なりに考えましょう.
- 以上のそれぞれについて,発表時に言うべきか,言わずに質問対策として取っておくべきか,よく考えましょう.発表時間は有限ですし,詰め込んで話したところで,聞き手がすべて理解してくれるとは限りません.情報は選別しましょう.適宜,指導教員から,アドバイスをもらいましょう.