仕事脳を強化する記憶HACKS(ハック) ~ITツールを駆使して”第2の脳”を使いこなせ! (デジタル仕事術シリーズ)
- 作者: 佐々木正悟,四六
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 6人 クリック: 90回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
興味深いツールが多数,紹介されていました.
使ってみたいなと思ったもの(したがって,まだ使ったことのないものばかりです)を,取り出してみました.英字の大小は,書籍の記述に従っています.
- Toodledo: ネット上でタスクを管理する (p.45)
- EVERNOTE: ソフトウェアでアイディアを完璧に分類する (p.115)
- Femo: メモツールで「展望的記憶」を強化する (p.127)
- smart.fm: インターネットの最新学習サイトで学ぶ (p.156)
- メディアマーカー: IT読書ノートをつくる (p.170)
- diigo: 必要な情報だけスクラップする (p.194)
ツールだけでなく,考え方のところでも,これは周りに知ってもらいたい,そして自分でも消化しよう,と強く感じたものがありました.
人がどのように「記憶する」のかに対する心理学的な答えは,うんとシンプルにすると以下のようにまとめられます.
- 覚える
- 手がかりを得る
- 思い出す
(略)
「なぜタスクを忘れるのか?」に対する答えは(略)「適切な手がかりを,必要なタイミングで得られないから」となります.
(略)
ようするに,ビジネスの現場で「タスクを忘れる」というトラブルが発生するとすれば,その原因は大半が「手がかりを得損ねたこと」によるものです.アラームでも,電話でも,メールでも,何でもよいのですが,「手がかり」が記憶連想の鍵を握るのです.
(pp.28-30)
私自身の「手がかり」メソッドをふたつ.
用を足すときには,次の仕事をするためのファイルやフォルダを開いた状態で,行きます.
研究室にいないことが予想される学生に,書類を読んでおいてもらいたいとき,単に机の上に書類を置くのでは,学生も私も忘れそうなので,次のようにしています.あらかじめ「書類を置きましたので,目を通してください」というメールを書いて,送信ボタンを押さずに,書類を持って行きます.学生がいたなら言葉を交わして,自室に戻れば書きかけメールを破棄.いなかったときだけ,メールを送信します.
誰かが「いいアイデアない?」と言ったとき,そこには二つの意味の「アイデア」があるようです.
- 新しい発明,解決策など,それまでになかった発想
- 人を納得させるためのうまい言い回し,または表現
私は「アイデア」と言えば,もっぱら1のことを指すのだとばかり思っていました.実際,辞書的な定義に近いのは,1のほうでしょう.
ところが,たとえば「企画案」と呼ばれるものについて「アイデア出し」を行っていると,どちらかと言えば「2」を念頭に置いたほうがうまくいくような気がするのです.
(略)
「記憶」という観点から「1」「2」を見直してみましょう.すると次のようになります.
- 自分の「記憶」を組み合わせたり変化させることで飛び出してくる「着想」
- 他人の「記憶」によく残るような「表現」
(略)
1では,「解決すべき課題」があります.1のアイデアが優れているかどうかは,しばしば自然科学的な基準によって決定されます.(略)
2のアイデアが「よいアイデアかどうか」を決めるのは,自然科学的な基準ではありません.多数決です.人の心にどう響くか,人の記憶によく残るかどうかが,2の「アイデア」の善し悪しを決定するのです.
(pp.220-222)
ここ最近の,自分がかかわっている研究を振り返ると,どちらの意味のアイデアも,なるほど重要です.
日記もですね.