わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

さくさくトリアージ 〜 院内トリアージ

検索エンジンでお越しの方へ:当雑記では,「トリアージ」は技術(問題解決手法)の一つであること,自分がトリアージをなされる側の者であることを認識しながら,いくつか文章を書いています.エッセンスは,2011年7月19日(余談で話すトリアージをご覧ください.過去のエントリは,トリアージカジュアルトリアージのカテゴリーをどうぞ.

さくさくトリアージ―救急外来『ポケットマニュアル』

さくさくトリアージ―救急外来『ポケットマニュアル』

この本のことを知ったのは,‚³‚­‚³‚­ƒgƒŠƒA[ƒW ‹~‹}ŠO—ˆwƒ|ƒPƒbƒgƒ}ƒjƒ ƒAƒ‹xです.Amazonではない本のページにこれだけのはてブがつくのは,異様です.
災害・緊急時ではなく,病院の窓口(外来)において実施されるトリアージの概念があるはず…とGoogleを頼ってみると,「院内トリアージ」という言葉を見つけました.

小児救急の分野では看護師らが子どもの病状の緊急度を判定する「院内トリアージ加算」(300円)が新設されました。院内トリアージとは、重症と軽症の患児が混じり合う救急外来から重症の患児を拾い出し優先的に治療することを目的に、既に一部の病院で導入されているものです。トリアージを受けることによって保護者も受診の必要性の判断基準を学べるため、救急外来の混雑を緩和する効果も期待されています。加算がついたことで、これから院内トリアージを実施する医療機関が少しずつ増えてくるでしょう。
院内トリアージ制のもとでは、緊急度に応じて診療の順番が決まり、重症であれば速やかに治療を受けられますが、軽症と判定されると長く待たされることがあります。患者側もトリアージの意義をよく理解し、診療に協力することが必要です。なお、救急車で搬送された場合も院内トリアージの対象となり、例外ではありません。
このように診療報酬の改定は医療費をはじめ、さまざまな医療場面において変化をもたらします。できるだけ不利益を被らないよう、また、賢く医療を受けるためにも、改定の内容とその対策をよく知ることが大切です。

気になる医療・トクする情報(1)|Health & Money|先進医療.net

日本臨床救急医学会(代表理事、有賀徹昭和大教授)は9日までに、病院の救急外来を受診した患者の緊急度を判定する指針の原案をまとめた。看護師や救急隊員らの利用を想定しており、病院内で行われる「院内トリアージ(優先順位付け)」の国内基準として普及を目指す。
院内トリアージをめぐっては、国内でも一部の病院が既に実施しているが統一的な基準はなかった。2010年度の診療報酬改定で、小児救急で実施した医療機関に報酬を加算する方針が決まっており、厚生労働省は同学会指針を参考にするよう求める考え。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157232-storytopic-1.html

2. 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た小児科を標榜する保険医療機関において、患者の来院後速やかに院内トリアージが実施された場合には、院内トリアージ加算として、所定点数に30点を加算する。
(略)

11. 「注2」に掲げる院内トリアージ加算については、院内トリアージ体制を整えている保険医療機関において、当該保険医療機関の院内トリアージ基準に基づいて専任の医師又は専任の看護師により患者の来院後速やかに患者の状態を評価し、患者の緊急度区分に応じて診療の優先順位付けを行う院内トリアージが行われ、診療録にその旨を記載した場合に算定できる。
12. 院内トリアージを行う際には患者又はその家族等に対して、十分にその趣旨を説明すること。

(略)

3 院内トリアージ加算に関する施設基準
1. 以下の項目を含む院内トリアージの実施基準を定め、定期的に見直しを行っていること。
A. トリアージ目標開始時間及び再評価時間
B. トリアージ分類
C. トリアージの流れ
なお、トリアージの流れの中で初回の評価から一定時間後に再評価すること。
2. 患者に対して、院内トリアージの実施について説明を行い、院内の見やすい場所への掲示等により周知を行っていること。
3. 専任の医師又は小児看護や救急医療に関する3年以上の経験を有する専任の看護師が配置されていること。

第2章 特掲診療料|第1部 医学管理等|B001-2-2 地域連携小児夜間・休日診療料|医科点数表|診療報酬どっとこむ2010

さて、今回の「院内トリアージ」とは、結論的に言うと救急時間外患者の中で「軽症」のものに診療報酬として「特別料金」を課して、軽症患者の時間外受診を抑制し、名目上救急医療における医療従事者への負担軽減を図ろうとするものです。
(略)
一部にある心ない時間外受診に対しては、「院内トリアージ」と実費負担による受診抑制ではなく、行政・自治体が責任を持って患者・住民教育を徹底させることが解決の本筋のはずです。
(略)
日本医師会の「院内トリアージ時期尚早論」などでは、全く不十分で、明確な反対路線を確立すべきではないでしょうか。

「院内トリアージ」と診療報酬のリンクは、国民皆保険制度への道==時間外軽症患者さんの抑制は、患者教育が基本==民間保険がもくろむ「時間外受診保険」==

今年度から,小児救急で院内トリアージを実施している医療機関で,金額がほんの少しアップする,ということですね.
そう見ると,冒頭の本の内容紹介に書かれている『乳児・小児のインデックス』が,特別な意味を持っているように思えます.すなわち,いま小児救急の場で活用してほしいということです.もちろん将来のことを念頭に置き,小児に限らない救急外来で院内トリアージが普及するときにも,読んで理解してもらえるような内容に,なっているのでしょう.
そういえば先々月,娘の状態が悪いと妻が言い出し,市内の日赤へ連れて行ったことがありました.平日の朝7時過ぎという中途半端な時間で,正面玄関ではなく裏の救急外来に行ったのですが,状態を聞いてもらった*1上で,結局正面に回り,小児科で診察を受け,点滴を打ってもらいました.
そんな経緯なので,院内トリアージの適用を受けたとは思えませんが*2,ともあれ…
病院に連れて行けばいい,行くべきではないというのを,安易で感情的な素人判断・親馬鹿判断で決めるわけにはいかないものの,だからこそどう行動すべきか(待つことも含めて)について,この本を取り寄せ,2年前に集中してトリアージの勉強をしたことと突き合わせながら,また勉強したいと思います.

同日夜に追記.

*1:私自身は詳しいやりとりが分かっていません.車を停めるのに時間をとっていたもので.

*2:明細書はどこだ….