わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

九イズタイムショッ九

「現代は,かけ算との戦いです」
途中は省略しまして
「参ります…タ〜イムショッ九!!」
(Start!)
 
(ぽーっ,ちちちち…)
「9個入りのチョコレート,4箱でいくつ?」「九四,36個」ぴぽん♪
「2人ずつ座っているベンチ,3つで何人?」「二三が6人」ぴぽん♪
「9人,2チームで野球の試合,全部で何人?」「九二,18人」ぴぽん♪
「つのつの一本 赤鬼どん♪ 8人で,つの何本?」「一八が8本」ぴぽん♪
「7グループのネコ,それぞれ4匹で何匹いる?」「四七,28匹」ぴぽん♪
「5人乗りの車,4台あったら何人まで…」「五四,20人」ぴぽん♪
(とたったらったー♪)
「5枚のお皿にみかんが3つずつ,お皿は何枚?」「一五が5枚」ぴぽん♪
「ではさっきの問題,みかんは何個?」「五三,じゅ…三五,15個!!」
「この問題が終わったら,開始から何秒経過?」「五九,45秒」ぴぽん♪
「毎月のおこづかいは2千円,半年でいくら?」「二六…1万2千円」ぴぽん♪
(…じゃらじゃらじゃらじゃら)
「高さ7センチのブロック,8個積んだら高さは?」「七八,56センチ」ぴぽん♪
「三輪車三輪車三輪車.ひらがなにすると全部で何文字?」「六三,18文字」ぴぽん♪
 
「素晴らしい! 11問正解でした」
  「いや,全問正解,したかったんですけど」
「それにしても,何秒経過の問題は,即答でしたね」
  「あれは出ると思っていました.8問目か9問目で」
「最後に,ご感想をどうぞ」
  「どんな問題も解けるように,準備していたんですが…誤算でした」

九イズタイムショッ九・解答の要領

 解答は,「九九形式の式」と「答えとなる単位付きの数量」を言います.

  • 「1セット5回の腕立て伏せ,3セットで何回?」だと,「5×3=15」という式を思い浮かべ,答えは「五三,15回」.
  • 「毎月のおこづかいは2千円,半年でいくら?」の答えは「二六,1万2千円」.「二六,12(じゅうに)千円」は不正解.

 九九では,1つ分の大きさを先に,いくつ分か(何倍か)を後に言います.逆は不正解とします.

  • 「5枚のお皿にみかんが3つずつ,みかんは何個?」の答えは「三五,15個」

 言い直しは,不正解とします.

  • 「1セット5回の腕立て伏せ,3セットで何回?」で「さ…五三,15回」は不正解

 引っかけ問題も出ます.

  • 「5枚のお皿にみかんが3つずつ,お皿は何枚?」の答えは「一五が5枚」*1.なお,10未満のとき,答えの途中で「が」は言っても言わなくてもかまいません.

補足

 小学2年生向けの問題集をいろいろと目にしていると,「簡単なかけ算の文章題を突きつけられたときに,かけられる数(被乗数)・かける数(乗数)の区別を含めて,瞬時に間違えることなく式と答えが言えるだろうか?」という意識を持つようになりました.
 タイムショックと結びつけることを思いついたのは,だいぶ前です.wikipedia:タイムショックのほか,
http://www.youtube.com/watch?v=IL4ZsHrpEssデッドリンク)やhttp://www.youtube.com/watch?v=YdlDdGwsdP4デッドリンク)を観て,流れを思い出しました.https://www.youtube.com/watch?v=TKw4dWhE69Q&t=73sデッドリンク)より,2代目司会の山口崇によるオープニングキャッチフレーズを聴くことができました.また,問題を作るにあたり,『通知表に役立つ観点別算数プリント集 小学2年生』を参考にしました.
 かけ算に限りませんが,出題に関する議論では,共通の問題をそれなりの数の児童が解き,「正答率」といった形で数値化され,比較されることになります(その数値が一人歩きすることもあります).タイムショック,そして今回12問しか出しませんでしたがフィクションの九イズタイムショッ九は,そういう枠を飛び越えた,楽しい世界のように見えます.とはいえ教育の分野では何もなされていないわけではなく,今後に期待されるテスト方式として,wikipedia:コンピュータ適応型テストを挙げておきます.
 第8問,「みかん」としていますが,よく見ると例の《問い》です.そこだけを間違えるというのは,意図的なものです.ということで本エントリを,「5×3をめぐるお話・第6話」としたいと思います.

*1:「お皿にみかんが3つ」の中にお皿は1枚なので,1つ分の大きさは1です.翌朝追記:「5枚の」を取り除きました.