今週より,研究班ごとのミーティングを開始しました.
4年生のみなさんには,毎回,議事録を作成してもらいます.
作成の注意点を,ここにまとめておきます.
なぜ議事録を作るのか
- 修正がひととおり終わった議事録は,教員にとっては次回ミーティングの際に,どこまで今後の予定を進められたかをチェックする,重要な資料となります.研究室の知的財産にもなります.
- 学生にとっては,どの方面に力を入れてきて,ゴール(研究の完了)を意識しつつ,次回ミーティングまで何に優先して取り組めばいいかが分かる,羅針盤のような存在となります.
- ですので,「ミーティングで何と発言したか」よりも,「ミーティングまでに何をしたか」そして「解決すべきことは何か」を参加者の間で共有できるよう,文章にしましょう.
完成までの流れ
- 新規に作成して,各項目を過不足なく記載するというのも難しいので,前の年度の議事録でよさそうな内容を一つ,ダウンロードできるようにしています.
- 2回目以降の議事録作成は,前に自分が書いたものをもとにしてください.日付や参加者の変更漏れがありませんように.
- 議事録は,学生が作成したら完成,ではありません.教員あてにメールで送るか,共用のSubversionリポジトリにコミットしたという連絡をしてください.
- 最低1回は教員側でチェックをします.初期のころは指示を与えて書き直してもらいます.ときには教員が修正することもあります.*1
ミーティング時のちょっとした心がけ
- 議事録には,開始時刻と終了時刻を書きます.なので,ミーティングの開始と終了のときに,時計を見るのを忘れないように.なお,メモとしては1分単位でとっておき,議事録記載時には,5分単位くらいでかまいません.
- 重要な発言は,ぽんぽん出るものですので,スムーズに記録を取れるようにしましょう.
- ミーティング時は筆記用具を使用し,あとで整理して議事録(Word)化することを,おすすめします.
- 消しゴムを使わないのも,大切なことです.誤記は,線を引くようにします(意外とそういう書き間違いが,電子化するときに役立ちます.消しゴムで消す時間の手間を節約する,消し残りや消しカスなどで汚くなるのを防ぐ,といった実用的な理由もあります).
- 発言の一字一句を書き取る必要はありません.議事録として取りまとめるのに必要な情報を,走り書きしましょう.
- 授業で先生のおっしゃる「大事なこと」に気づいてノートに書く習慣がある学生にとっては,難しくないと思います.
- そういう習慣がない人は,受講している授業,研究室全員が集まるゼミ,そのほか日常のシーンで,ノートまたは手帳を開き,書き付けていきましょう.
- 次回ミーティングの日時も,議事録に書きます.たいてい,ミーティング終了あたりで教員が設定します.もし,次回までの間に,班の誰かが発表(学会,某ゼミ,研究室全体ゼミなど)する場合は,人物名,日付と合わせて書きましょう.
レイアウト
- フォントは「MS 明朝」を基本としてください.ASCII文字は「Century」です.
- 議事録の上の方に書く,基本中の基本の項目は,「実施日時」「場所」「参加者」です.書いてから,何度もチェックしましょう.
- 実施日の後には曜日も添えてください.
- 「場所」はほぼ研究室内ですが,たまに学外に出て,意見をもらい,議事録にすることがあります.
- 参加者を書く際,議事録作成者は末尾に置き,「(記録)」を添えてください.
- 報告者ごとに,次の事項を書くようにしてください.
- 配付資料
- 進捗報告
- コメント,今後の予定
- 報告者ごとの記録には,箇条書きを活用してください.報告者名がレベル1,上記の3項目がレベル2です.レベル4まで深くなってかまいません.
- 教員と学生1人だけのミーティングの場合,報告者の名前は特定できるので,書かなくてかまいません.
- 配付資料がなければ,項目ごと取り除いてください.ある場合,資料タイトルだけを議事録に記載してください.
- 「プレゼン」ではなく「資料」ですので,文字装飾(色を着けるなど)はしないように.
書き方,表記
- 「ミーティングで何と発言したか」よりも,「ミーティングまでに何をしたか」そして「解決すべきことは何か」が分かるよう,文章にしましょう.
- OK: 「作業時間がどれだけ短縮できるか」で評価する
- NG: 何分から何分になるのか?
- ミーティング時に使っていた名称(特にソフトウェア名)が間違っていた場合は,議事録では正しい名称や表記にしてください.英字の大小にも注意してください.
- OK: NoSQL,NG: NOSQL
- 数値情報は算用数字(アラビア数字),熟語は漢数字です.
- OK: 3行3列,NG: 三行三列
- OK: 一期一会,NG: 1期1会
- 「1部を印刷する」と「一部を印刷する*2」を間違えないように.
- 議事録の本文中に,教員の名前を書くときは,「先生」の敬称をつけてください.学生については,先輩であっても敬称なしとしてください.
- カッコ類を適切に使って,文章の中で「キーワードの強調」「構造化」を図ってください.もちろん,使いすぎてはいけません.
- 丸括弧に限り,ネストすなわち「丸括弧の中の丸括弧」となってもかまいません.どうしてもそうせざるを得ない箇所に限り,2重までにします.
- 補助名詞としての「物」「事」「毎」は,「もの」「こと」「ごと」に置き換えてください.
統一すること
- 以下については,議事録の文書全体で統一していれば,どれを使っても差し支えありません.
- 句読点: 「、。」「,。」「,.」
- 数字を日本語文字(全角)にするか英語と同じフォント(半角)にするか
- 補助名詞の「等」を,漢字にするかひらがなにするか
- 箇条書きの項目が文(言い切りの形)のとき,句点を書くか書かないか
「完成!」と思う前に
- 書いた議事録を,教員に連絡する前に,最低でも3回は読み直してください.次の項目を自分でチェックしてください.
- フォントや記号の不統一はないか?
- 実施日時・場所・参加者に間違いはないか?
- 教員や他の学生が違和感なく読めるか? 活用してもらえる,構成や情報になっているか?
- 文や実施内容それぞれについて,主語(実施者など)が明確か?*3
- 修正版も,修正箇所を含む項目は3回,そして全体は最低でも1回,読み直しましょう.
過去に書いた,議事録作成のアドバイス
- 2006年11月8日(議事録作成のアドバイス)
- 2008年6月13日(続・議事録作成のアドバイス(のメモ))
- 2011年1月29日(型・形)