その1
インフォグラフィックスとして図にすると,数値や専門的な情報が伝えやすくなります.画面の2つを見比べてください.
左には,「チョコレートを食べる量が2011年は200kgだったのが2012年は240kgに増えました」と書いています.
右だけを見ると,どうでしょう…「チョコレートの消費量は,2011年は200kgだったのが,2012年は240kgに増えた」になりますね.
情報の見せ方として,現在,右のように図にすることが,より望まれています.
その2
Webでざっと調査していったところ,「インフォグラフィックス」という言葉と,「インフォグラフィック」という言葉が出てきます.
どちらにすべきかというと…
まず英語では,infographicと綴ります.複数形のときには,infographicsとなります.
日本語ですが,どうやら,総称あるいは技法としては,「インフォグラフィックス」が選ばれやすく,個別の作品を指すときには,「インフォグラフィック」とすることが多いようです.
なお,Wikipediaは「インフォグラフィック」なのに対し,デジタル大辞泉では「インフォグラフィックス【infographics】」という見出し語になっています.
たぶん正統なのは「ス」なしのほうだと思います.でもWeb上でよく見かけますし,辞書の見出し語にもなっているわけですので,「ス」ありも明確に間違いではない,といったところでしょうか.
その3
インフォグラフィックス作成の活動を通じて,何が得られるかというと,次の3点です.
まずは,「絵をつくる技術」です.
次に,「研究内容を可視化する習慣」であり,この活動を卒業研究や修士の研究,とくに発表用のスライド作成に生かしてほしい,という期待があります.
最後に,「データに注目し尊重する態度」を挙げることにします.思いを図にするのはアートです.データやファクトをもとにし,相手に伝えやすい形にしたものが,インフォグラフィックスとなります.
その4
実例を見てみましょう.
NPPとは何かというと…えっと書いてありますね,"nuclear power plant",すなわち原発のことです.日本にはこれだけたくさんの原発があって,311のせいで,えっと翌日の爆発ですか,Fukushima-1 NPP(福島第1原発)の外壁をぶっ壊したと書かれています."ruining"という単語,これは"running"ではありませんね,原型の"ruin"は「廃墟」という意味がありしまして,動詞ですので,原型をとどめることなく破壊するとなります.
図としては,日本という一つの国に,これだけの原発があるということを示しています.
地名は基本的にローマ字表記ですが,よく見てみると,1箇所だけ妙なものがあります.
ここだけ,ロシア文字で書かれていて,「ナゴヤ」と読みます.まあロシア語を知らないとしても,我々はその場所から名古屋と分かるのですけどね.
緻密なインフォグラフィックスの中で,これはご愛敬と言ってもいいでしょう.なお,日本の地図データは,Webから簡単に入手ができます.
なにこれ
「インフォグラフィックスで各自1枚以上の絵をつくる」ことを,研究室の6〜7月の活動とし,前の金曜日*1に,スライドをつくって説明をしました.
来週,各学生には,インフォグラフィックスに関連する技術などを手分けして報告してもらいます.そのデータを取りまとめた上で,研究室の今期の成果の一つとして公表する予定です.拙作のスライドについては,それまでお待ちください.
その1に書いたチョコレートの件は,以下のページの情報を参照しました.図は自作です.
その4の「日本の地図データ」は,実は学生に探してほしい情報の一つだったりするのですが,以下の記事が取っかかりとして良さそうです.
*1:第1金曜日は6月6日ですが,5月の活動がずれこんだのでした.