和歌山市民会館へ行きまして,小ホールで催された「和歌山市民憲章制定50周年記念式典」*1に出席しました.うえの子が,硬筆競書会*2で表彰を受けました.壇上にあがったのは,最後の写真撮影時のみでしたが,名前を呼ばれたときには,いい返事をしていました.
式典の前半は表彰で,休憩を挟んで後半は講演会でした.講師は小西博之氏です.司会者が「コニタンの愛称を,ご存じの方が多いのではないでしょうか」と言われて,80年代の欽ちゃんの番組を思い出しました.
講演者は,観客席の後ろから登場しました.前方へやって来まして,ですが舞台には上がりません.立ち位置を最前列の前のほか,左(の通路)・右(の通路)に変え,手を挙げさせたり子どもに答えてもらったりしながら,自身の生い立ちとともに,話が展開していきました.
大人にも,解答を促すシーンがありました.あるお父さんに,あなたの夢は何ですかと,マイクを向けたのです.躊躇しながら,「子どもの成長を…」とおっしゃったでしょうか.
それに対して講演者は,ネガティブな対応をしました.リアクションは,「子育ては,夢ではなく,あなたの義務です.あなたの夢を,おっしゃってください」だったかと思います.
やりとりを聞いたときには,そのお父さん,いいダシに使われたなと感じました.講演実績も豊富で,準備をしっかりされてきた側と,(おそらくは自分とおなじように)子どもの表彰を見に来て,ついでに(破天荒な)講演を聞く中で問われた状況との間で,2者の力関係は明白です.
とはいえ,もし自分にマイクが向けられると,やはり及び腰で同じような答えをしていただろうなと,思うようになりました.「夢を持つこと」は,この講演では「自分でしたいことを,それが達成できるとは限らない(必ずしも夢は叶わない)のにも注意しながら,いくつも持つこと」であり,そうしたとき,夢を聞かれたら,持っている中からそのシチュエーションに最適なものを1つ選んで,答えることが期待されます.
何人かの子どもに夢を聞いていた中で,うえの子と同じ列に座っていた女の子が,「ふくやさん」と答えていました(小西氏は「洋服屋さん,いいね」と褒めていました).あれが,あの場に適した答え方,だったのでしょうか.
講演中に,小西氏が舞台に上がった場面が2度,ありました.最初は「学校で言ってはいけない言葉があります.『不登校』です」.ただし不登校撤廃というのではなく,本人の意思で学校に行かない状況を「おうち大好き」と言い換え,褒めちぎっていました.
2番目は,手話による「いのちのうた」です.「ユーチューブで検索してください」とのことで,検索するとhttps://www.youtube.com/watch?v=K1PI07qnG0Iと思われます(「いのちの歌」は別の曲).
上の服を脱ぎ,腎臓癌の手術痕を見せて写真撮影オーケーですよと言い,観客席のあちこちへ行くのも,型破りでしたが,はじめのほうで「自衛隊」を,またおわりのほうで「自殺」を持ち出したのには,戸惑いを覚えました.前者はほどなく,お子さんの1人が自衛官と打ち明けていました.後者は帰宅して,wikipedia:小西博之を読んで理解しました.
夢をいくつも持ち,状況に応じて発してきた人で,思い浮かべるのは,実家の母です.数年前に,親しい人が亡くなり,葬儀に参列しました.しめやかに営まれ,これから出棺というときに,「あなた! あたしと一緒に,お好み焼き屋さんやろうって,言ってたやないの!!」と叫んだのが,母でした.涙を誘いました.
Q: あなたの夢は,何ですか?
A: すえの子に,主に10代から20代,そして今もメンテナンスしている「笑い」を,あますことなく伝授したいです.(すえの子がお笑い芸人になるかどうかは,本人次第ということで.)
Q: 先日,表彰を受けたのは?
A: うえの子の受賞を知ったのは7月の確か上旬で,http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20160908/1473308700で書いたのより,ほんの少し前です.