昨日の授業で,プレゼン課題の口頭発表を実施しました.
ネットワークセキュリティという科目の,3番目のレポート課題です.セキュリティについて,3分で口頭発表できる内容のスライドを作成するという課題です.7月上旬に締切日を設定して,Moodleにファイルを提出してもらいました.
しかし全員に,発表してもらうわけではありません.100以上のファイルを回収して読み,授業中に発表してほしいと思ったものを選定して,8人に依頼のメールを送ると,7人から了解の返答がありました.
さて了解の返答が来ると,こちらからもう1回,メールを送る必要があります.発表日時と,準備してほしいことについては,共通なので,一度文章を書いたらコピーできるのですが,提出してくれた内容の磨き上げを,この段階で依頼します.要はスライド修正です.これは7人異なる内容です.といいたいのですが今年度は,説得力のあるオチにしてほしいという指示を,何人かにしました.
ここから7人のうち1人に,焦点を絞ります.この学生の作成したPowerPointファイルには,連続する3枚のスライドに,「複合化」と書いてあったのです.
「復号」または「復号化」と書かれるべきところです.以前の記事を,思い出しました.
(略)『暗号技術入門』では著者の判断により「復号化」の表記が採用され,ネット上でもこの3文字熟語が当たり前のように使われているわけです.
復号化1986-2015
ただ,情報教育の観点で,「復号化ダメ論」を唱えることもできます.
というのも,復号化復号化と書いていても,上で指摘したとおり,長文の中に「複合化」の誤変換が入り込んでしまう可能性が,高くなってしまうのです.
暗号化に対して常に「復号」を使っていると,「複合」は,自分でわざと変換しないと出てきません.
この記事はさておき,学生には,3箇所の「複合化」を,「復号化」または「復号」に修正するよう,指示を入れてメールを送りました.
修正版の提出締切は,口頭発表の前日です.そして前述の学生は,Moodleで提出したあと,こちらに修正しましたと,メールを送ってくれました.
時間もあったので,ファイルをダウンロードして読むと…修正されていないように見えます.
「複合化のままでいいですか? 今晩まで待ちます」と書いて返信し,次の日の朝に,7人分を回収して,この学生のpptxファイルを見ていっても,複合化のままです.
「このままでいきますね,そして発表が終わったら,この件,全体にコメントすることにします」とメールすると,「復合化にしたんですけど」の返信が来ました.
この返信の3文字熟語(?)に,びっくりしました.複合化ではなく,「復合化」です.
スライドは3箇所とも,「復合化」になっていました.最初に提出したファイルは,「複合化」でした.「複」が間違いで「復」にすればいいと,考えたわけです.
再度修正を求めるのは,馬鹿馬鹿しいので,こちらで「合」を「号」に修正することを伝え,念のためファイルを添付して送りました.
授業の口頭発表のほうは,おおむね1人あたり3~5分になっていたと思いますが,どれもうまく披露できていたと思います.発表が終わるたび,そして最後に,聴講者に拍手を促しました.
(最終更新:2019-07-30 夕方.タイトルを「複合化復合化復号化」から変更しました)