わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

わさっきは順序反対派?

 ページの終わりに,当ブログへのリンクが張ってあり,とりあえずはてブしました.
 ページ内で「わさっき」を検索すると,本文中に何度か出現していました.

白川氏以外にも多くの方がこの問題について書かれている。今ではリンクが消えてしまったものも多く、全てに目を通せたわけではないが、白川克氏の他に高橋誠氏、わさっき氏(本名がわからないのでこのブログネームで呼ばせていたただきます)、黒木玄氏、開米瑞浩氏、菊池誠氏のブログを読むことができた。いずれも、6x8を✔︎にするのはおかしいという立場である。彼らを順序反対派と呼ぶことにしよう。

わさっき氏は交換法則の証明を数種類紹介し、掛け算の交換法則は正しいと主張した。彼が引用した証明は全て、ペアノの整数の公理に基づく、数学的帰納法による証明である。したがって、数の上で成り立つ性質であるということしか証明していない。

なぜ日本で掛け算の順序がイギリスとは逆になった理由は、今の所、判明していない。わさっき氏や高橋氏のブログでは、歴史的な経緯も書かれているが、ピーコックには触れていないので、(菊池が持ち込んだと仮定して)そこから昭和の初めの頃までに何かしらの断絶があったと思われる。

 段落ごとに,思い当たる記事はあります.以下では,順序反対派の根拠の類型と出典を整理しています.(そして,順序反対派に入れるべきではないことがわかってもらえるはずです.)

 「交換法則の証明を数種類紹介」といえば,これでしょう.

 「ピーコック」「4元数」について,当ブログで言及したことはなく,ともに出現するのはサブブログの以下の記事です.

 「日本で掛け算の順序がイギリスとは逆になった理由」を,数学史や数学教育史から探ろうとしたとき,よい文献を持ち合わせていませんが,「被乗数先書」を採用した理由---冒頭でリンクしたブログのまとめに書かれた「掛け算の順序を定めた動機」と密接に関係します---については,緑表紙教科書の編纂に携わった高木佐加枝による(昭和50年代に出版された)書籍からの抜き書きを,以下で行っていました.

 当ブログへの言及はありませんが,「13. 掛け算の式を書くときに順序を定めることは、学習意欲を阻害するか」に書かれた「Y君という支援学級に通う子」は,以下より本文を読むことができます.「支援学級」ではなく,「学習支援教室」であり,仙台市内の私立大学において実施されたもの(小学校に設置された学級ではないこと)が読み取れます.

 PISAではなくTIMSSで,「言語間でかけ算の順序が異なる問題」があるのを知ったのは,2021年でした.

 まとめのうち「個人的には、多項式の項の書き方に準ずるイギリス式が良いのではないかと思う」に関しては,『量と数の理論』で長さの自然数倍について「長さAの2倍というのは,A+Aのことである.この長さを2AまたはA×2で表す.」として(2×Aとは書かない),話を進めているのを思い起こします*1.「子供たちの発達過程」「掛け算の交換法則」との結び付きに関しては,米国の書籍から見る授業のやり取りと,教科書・学習指導案・授業事例をなどの事例整理を,挙げておくことにします.

 思うところあって当ブログでは氏名を書いていません.学会発表の報告は,題目を書き,著者名を書かないようにしています.