「えっとやな…」
「パパ,なに?」
「お前やと思うんやが」
「何のこと?」
「この机で,絵の具で絵,描いてるやんか」
「そうやけど」
「んでな,ペットボトルのフタが,開いとんねんな」
「…あっ」
「筆を洗うのに,ちょうどええとは思うんやが…」
「水,入れたままで,フタせんかったらな,地震なんかで倒れたら,水ドバドバ出てくるやんか」
「たしかに」
「パパがこの部屋でゴロンと寝てたときに,そんなんなったら,服が水浸しになりそうでな」
「…」
「ということで,絵ぇ描くのんも,筆を洗うのにペットボトルに水を入れるのんも,えぇけど,部屋を出るときにはフタすんのと,描き終わったら,きちんと後片付けしぃや」
「はぁい」
「そいで…出来上がりが,そっちのテーブルに置いちゃあるやつやと思うんやが…」
「そ.学校で友達にあげるねん」
「それ,ハロウィンの絵,やねんな」
「そうやけど」
「んでや…英語のハロウィンの綴りが,全部,間違っとんねん」
「え,そうなん?」
「パパのパソコンで…ウィキペディアのハロウィンを表示させると…Halloweenや」
「うちのん,どうやったっけ?」
「何枚か,Helloweenって綴ってあんねん」
「…」
「Helloやったら『こんにちは』やがな」
「あそっか」
「どっちかっちゅうと,中1の英語で,こんにちはのことをhalloって書いたらあかんねんでって学ぶんやないかな」
「うーん」
「それはそれとして,ハロウィンはHalloweenな.描いたん直せるか?」
「どーしよかなー」
「そうやそうや,1枚だけな,oが抜けとんねん.Hellweenになってんのや.ヘルウィーンやで」
「ヘルって何?」
「Hellは地獄やがな.せやから地獄ウィーンや」
「ああ(腰砕けになる)」
「これ見たときパパも腰砕けになったわ.これは絶対,直しとき」
思うことあって,誰との会話かは書いていません.その子が不在のときに,他の子に上記を話すと,地獄ウィーンで大笑いしてくれました.
妻に話すと,笑うことなく,単語を直したらええやないのという反応でした.プレゼントをする友達のために,時間をとって,作ったことを重視していました.