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社会人ドクターのリモート論文指導法

ゴールデンウィークに入る前に,ある先生から,少し話を聞きました.
昨年度入学したので,現在はD2となる社会人学生さんについてです.普段は東京で勤務し,先生が関東に出張されるときか,社会人学生さんが帰省するときに面談してきたとのこと.外部発表はまだなく,社内プロジェクトをもとに取りまとめようとしたら待ったがかかり,活動の変更を余儀なくされているとも.
この先生が主指導教員のままで,私が副指導教員につくとして,どんな指導法がとれるか,お話を聞きながら少し妄想しました.
まず,3年間でドクターコースを終え学位を得るための,国際会議,論文投稿,そして博士論文提出と審査について*1,大まかな流れとデッドラインを知らせるのは,教員の義務だろなと感じました.論文誌については,先行事例を知るための「読む論文」と別に*2,「載せる論文」に関して,特集号か,公刊年月がはっきりしているものを選ばないといけませんね.
2年に1回,先生も私も行っている国際会議が来年あるので,そこを勧めましょうか.具体的な研究内容はまだ聞けていないけど,ぽつぽつ聞いていた先生のお話から,大きく外してはいないでしょう.
あとは日常の進め方….
かつて,フランスから交換留学生が来て,半年間,研究指導をしました.あのときは,最終的な提出物を把握していなかったものの,おそらくレポート提出が必要だろうということや,会話よりも文書に残す方が成果が着実に残りまた共有できると考えまして,週報(英文)を出させ,そのつどコメントを返しました.本人は,その文書を集約・整理していきながら,フランスの大学に提出する50ページ強の最終報告書(これも英文)にしていました.
これをアレンジして,残り2年間という社会人学生さんにやってもらうとすると,頻度と分量は,毎週5ページといったところでしょうか.
初めのうちは,外部発表や博士論文のタネになりそうな,これまで活動してきたことの説明あたりから.
「毎週5ページ」と並んで,数字は無根拠ですが,最初の1か月分,すなわち4回分は,新規に文章を書いてほしいものです.社内文書はもちろん,願書に出した文章を引き写したのでは,論文を書くための「体力」は得られません.時間をとって苦しんで,文章の質は高くなくてもいいから,文字を埋めることです.
その時期を越えれば,文章執筆の「セカンドウインド」*3状態になり,余裕ができるとともに,これまで書いたものを見直して,図にしたり表を追加したり,英訳したり,要約したりふくらませたりすることも,考えていくことになるでしょう.
…といった妄想をしましたが,先生には言えずじまいでした.

*1:この手の話をするときは論文の「本数」も避けて通れないのですが,自分の所属について,それを明言するのは,差し控えたいと思います.

*2:参考文献に入れるための「数を増やす論文」に関しては…げふんげふん.

*3:この前の,苦しい状態を何と言うんだったか…「デッドポイント」でした.■デッドポイント⇒セカンドウィンド (2009年1月12日) | なおしブログ ハワイで起業した100の夢を持つ社長のブログ - 楽天ブログ