大阪の書店で見かけて購入しました.帯には「2024年度新教科書対応」「QRコードより動画、映像、ワークシート、資料など児童のタブレットに配信」とあります.
本題に入る前に,関連情報を挙げておきます.算数の「板書本」はこれまで,東洋館出版社と明治図書出版で発行されています.また今回購入した本に「かけ算の順序を問う問題」が含まれているのは確認済みです.サブブログ(かけ算の順序の昔話)よりどうぞ.
今回の本の(当ブログで取り上げるべき)特色は,「かけ算めがね」と称する図です.
(p.11)
(p.18)
前者は,指導計画の表の中に出現し,同じマス内の左には「かけ算めがね」,右隣のマスには「かけ算めがねを使って「1あたりの数」と「いくつ分」をとらえ,かけ算の式に表すことができる。」と書かれています。後者は,対応する授業回(第4時 A案)に1回だけ,出現します---かけ算の式においては,3つの数は左から順に,○,□,そして(「ぜんぶの数」は)○と□で,囲まれています.
掲載されている2つの「かけ算めがね」の絵は,微妙に違います*1が,左が○,右が□で,めがねの形状なのは,共通しています.
こういうのはSVGのパス指定で描けそうと思い,20分ほどで,作ってみました.
ソースです.コピーしてメモ帳などに貼り付け,拡張子を.svgにして保存しダブルクリックしたら,ブラウザで見ることができます.複数の描画の指示を,1個のpath要素に入れています(そもそも一筆書きできる形状ではありません).
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?> <svg xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" width="400" height="200" id="mulglasses"> <style type="text/css" > <![CDATA[ #bg { fill:#fffff0; stroke:none } path { fill:none; stroke:black; stroke-width:8; stroke-linecap:round; stroke-linejoin:round; } ]]> </style> <path d="M 0,0 L 400,0 400,200 0,200 z" id="bg"/> <path d="M 200,80 h 100 v 100 h -100 z M 120,80 a 50,50,0,1,1,-0.01,0 z M 170,115 h 30 M 300,115 h 25 l 30 -80 a 20,10,110,1,1,12,20 M 70,115 h -25 l 30 -80 a 20,10,110,1,1,12,20"/> </svg>
図を作り終えてから,イラストで目を引くものを過去に取り上げたはずと思い出し,調べてみると,以下の記事でした.「ひ×い」が,どうやら帽子にくっついています.
ところで「かけ算めがね」には実用上の問題点があります.めがねの絵の左側が○でかけられる数(1あたりの数),右側が□でかける数(いくつ分)に対応するのですが,これは,めがねに向き合って見る側の話であり,実際にめがねをかけたら,左目は□,右目は○に対応するのです.
これについては,かけてしまうと(かけ算で求められることを認識し,式にしたら),かけられるとかかけるとかいったことを考えなくてもいいということかなと,思っています.
合わせてどうぞ:喜楽研の板書本の,かけ算の最初の単元 - かけ算の順序の昔話
*1:https://www.meganesuper.co.jp/glasses/knowledge/parts/の名称を使って,違いを説明すると,ブリッジ,丁番,先セルの形状が異なります.